グルームブリッジ・プレイス・ガーデン Groombridge Place Gardens
次もロイヤル・タンブリッジ・ウェルズ郊外のグルームブリッジ・プレイスだ。ここまでの3つのガーデンはB&Bから半径10kmに収まる近さだ。
グルームブリッジ・プレイスには初めての訪問となる。ここもその歴史の緒が13世紀という歴史あるマナーハウスだ。
現在の建物は17世紀に建てられたものだ。ガーデンは17世紀に造られた壁に囲まれたフォーマル(整形式)ガーデンを元に、
時代ごとに改修されてきたもののようだ。集まった情報から◎を付けてきた。
パーキングからエントランスに向かうとクジャクの出迎えを受ける。随分大きなクジャクだ。いただいたパンフレットの番号通りに歩き始める。
最初に小さな山小屋風の建物が現れる。壁のプレートを見ると"Conan Doyle"の文字が見える。かの有名なシャーロックホームズ(Sherlock Holmes)
のコナン・ドイルの小さな博物館になっているのだ。驚いた。
何故ここに ; コナン・ドイルは晩年をグルームブリッジから6kmほど南のクロウバラ(Crowborough)で過ごしており、
グルームブリッジ・プレイスを頻繁に訪ねていたのだという。クロウバラのコナンの家が解体されることになり、
グルームブリッジ・プレイスのオーナーがコナンの遺品を譲り受けたためだ。
このグルームブリッジ・プレイスはシャーロックホームズの”恐怖の谷(The Valley of Fear)で登場するバーストン・マナー(Birlstone Manor)の
モデルとなっているのだそうだ。
ここで余談 ; コナンはスコットランドの生まれで小説好きであったが親の勧めで医者になったのだ。
卒業後、プリマスの友人と診療所を共同経営するが直ぐに喧嘩別れをする。ポーツマスに移り開業したが患者が少なく、患者を待つ時間に小説を書き始めたのだ。
もし、開業医が流行っていたら、シャーロックホームズは生まれなかったかもしれないのだ。
最初のガーデンは"The Drunken Garden"だ(写真下左)。コナン・ドイルのお気に入りのガーデンだという。
古いイチイのトピアリーが傾いてしまったところが酔っ払い(Drunken)に見えるというわけだ。赤いトピアリーも見られるが、酔っ払って赤くなったわけではない。
単に枯れ始めただけだ。このガーデンのイチイのトピアリーは他の場所でも赤くなっていた。何が原因なのだろうか?
次のガーデンは"The Oriental garden"だ。雨が強くなってきてゆっくり観賞できる状況ではない。珍しいのは"Grass Fountain"だ。
どのように植え込んであるのか草の生えた壷から水が噴き出している。ベンチのデザインもオリエンタルだ(写真下右から2枚目)。
周囲を囲む壁にクライミングするバラの開花が始まったところだ。
突然雨の静寂を破るブラスバンドの音が響く。何事かと音のする方に行ってみる。雨が吹き込むので大きなテントの真ん中に固まるようにして演奏している。
"Diamond Jubilee Celebrations"の一イベントのようだ。聴衆は3組10人足らず、雨の中、傘を差しての鑑賞だ。このとき面白いことが起きた。
バンドに負けない甲高い音が聞こえてきたのだ。クジャクが屋根の上に上がりバンドに合わせて鳴いているのだ。これにはバンドのメンバーも苦笑するしかない。
雨が更に強まり、一旦レストランに避難する。それにもかかわらず、バンドは演奏を続けている。
小止みになったので、ガーデン散策再開。ホワイト・ローズ・ガーデン(The White Rose Garden)だ。中央にフローラ像が立ち、
白い花の植栽がされている。大きなガーデンだ(写真下左2枚)。20種類あるという白バラは、まだちらほらだ。逆に白いゲラニウムはそろそろお仕舞い。
しかし、白いルピナスとジャーマン・アイリスは丁度満開だ。陽だまりでも今年からホワイト・ガーデンを造り始めているが、
花が一斉に咲けば美しいが、一斉に終わってしまうだろう。難しいところだ。
ホワイト・ローズ・ガーデンの脇を通るマナーハウスに通じる通路のイチイのトピアリーも何本か枯れてきている(写真下右から2枚目)。
整然と刈り込まれ林立する姿は見事だ。マナーハウスは濠に囲まれた荘重なものだが非公開だ。橋の手前で"Keep Off"。
濠に沿って"Knot Garden"がある(写真下左)。1994年に造られた新しいガーデンだ。ヘッジの中の草花は夏バージョンに替えたばかりで花はない。 ガーデンの向こうの大木を覆う山藤が鮮やかだ(写真上右)。
同じく濠沿い東寄りにあるのが"Giant Chessboad"だ(写真下左)。ジャイアントなチェスの駒が並んでいる。このガーデンとローズ・ガーデンを仕切る
イチイの生垣がカットされて、中に女性の胸像が立っていた。通路を歩いていてふと視線を感じ左を見たらこの像がありぎょっとした。
写真下左から2枚目の像は目の部分が空洞だから尚更怖い。
ローズ・ガーデンの西側を"Paradise Walk"が通っている(写真上右)。ここもこの時期花は少ないが、黄色のバラが端整に咲いていた。
"Kitchen Walled Garden"に行ってみる。耕作物は何もない。大きく壁で囲われた牧草にアルパカ2頭と鹿が数頭飼われている。
ここでもバラエティーにとんだ彫刻が見られた。ホワイト・ローズ・ガーデンのフローラ像、パラダイス・ウォークの女性像、"Exhibition Hakk"の前のモダン女性像。
4枚目は"Draughtman Lawn"にあった男児像、レストラン前の広場の洋ナシとリンゴのオーナメントだ。他に見落としも多かったろう。
天気が良ければ"The Enchanted Forest"と謳う森で魔法にかけられるのも楽しいかもしれない。
Address | Groombridge, Tunbridge Wells, TN3 9QG |
Telephone | 01892 861444 |
Web Site | Groombridge Place Gardens |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。